リピーターとは、繰り返し商品を購入してくれる消費者です。ECサイトの運営において、重要な位置を占めている顧客でもあります。ECサイトにおけるリピーター獲得の重要性とメリット・有効な施策を解説します。
なぜリピーター獲得が重要なのか
リピーターは継続的に商品を購入してくれるため、新規顧客よりも利益率が高くなります。リピーターを継続的かつ一定数抱える状態を維持できれば、安定した売上を得られるでしょう。
新規顧客はECサイトにアクセスしても、途中で離脱する可能性があります。必ず購入してくれるわけではありません。顧客数が不安定になれば、その分売上利益も不安定になります。
また、タダリピーターを確保すればいいわけでもありません。リピーターには以下ふたつの種類があります。
- 流行客：セールや安売りのときだけ繰り返し購入する顧客
- 優良客：ECサイトや商品を気に入って継続的に購入してくれる顧客
ECサイトが増やすべき顧客は、後者の優良客、いわゆるファンです。定期的に自社を利用してくれる顧客を確保するには、新規顧客をファン化させ、既存ファンを継続して確保する必要があります。
リピーターを得るメリット
リピーターにより得られるメリットは、売上の安定化だけではありません。リピーターが生み出すメリットを最大限に活かすためにも、リピーターによるメリットを把握しておきましょう。
集客コストの削減
新規顧客獲得には、リピーターひとりに対して5倍のコストが必要といわれています。リピーターを大量に確保できれば、新規顧客獲得に力を入れなくてもいい分、集客コストの削減が可能です。
ECサイトの広告はインターネットの広告表示を主に使います。大量に広告を出そうとすると、大量の広告費が必要です。一方、既存顧客にはメールやSNSなどの一度に安価かつ大量に送信できる方法が取れます。
新規顧客獲得チャンスの増加
リピーターは新規顧客獲得チャンス増加にも有効です。近年、消費者は商品やサービスを購入する際、SNSに掲載されている口コミや評価をもとに判断するようになりました。リピーターが自社サイトや商品に関する内容を投稿すれば、それを見た消費者が自社サイトや商品に興味を持つ可能性が生まれます。
つまり、Web広告やSNSの自社アカウントでの投稿などの活動をしなくても、自動で宣伝してもらえる状態です。従来の方法だと確保しにくい顧客に、コストをかけずにアピールできる点も、リピーター獲得によるメリットといえます。
リピーター増加につながる施策
リピーター確保はただ宣伝や運営をすればできるわけではありません。新規顧客をファン化させるには、そのための施策が必要です。次は、リピーター増加につながる施策の中でも、代表的なものをご紹介します。
ペルソナを設定する
リピーターを確保するうえで重要なのが、ペルソナの設定です。マーケティングにおけるペルソナとは、店舗、ここではECサイトを利用する顧客モデルを指します。自社ECサイトや商品を利用する顧客をリサーチし、それをもとに顧客の仮説を立てましょう。
メールやクーポンなどの施策や、新商品を考えるときは、このペルソナに沿った内容で考えます。これにより、ペルソナに合致する顧客の支持を得られるようになります。一定数支持を得られるようになれば、顧客をファンに変えられるようになるでしょう。
顧客とのコミュニケーションを充実させる
顧客はどんなによいECサイトでも、印象に残らなければファンにはなりません。顧客の印象に残るには、コミュニケーションが重要です。ただ商品を販売するのではなく、その後のコミュニケーションもこまめに取りましょう。
- SNSで定期的に顧客やリピーター向けの情報を発信する
- メールマガジンやLINEの公式アカウントでコミュニケーションする
- 自社アプリからリピーター限定情報やクーポンなどを提供する
このように、顧客ごとに特別感ある施策を展開することで、顧客に定期利用を促せるようになります。
サービスを充実する
どんなに施策を展開しても、ECサイトの操作性や購入画面が使いにくい状態では、顧客は離脱してしまいます。施策だけでなく、ECサイトや購入方法などのシステム面でも顧客目線を心がけましょう。
特に、リピーターは新規顧客とは異なる情報や商品を求めます。ログイン後、お気に入り商品の一覧や購入履歴など、リピーターが再購入しやすい導線を構築するのも大切です。ECサイトを構築・更新する際は、リピーター目線で使いやすいかのも注目して考えましょう。
まとめ
リピーターは、ECサイトを安定して運営するには欠かせない存在です。施策を展開する際は、新規顧客とは異なる性質を理解したうえで取り組みましょう。
