ECサイトでSEO対策するうえでは、モバイルフレンドリーにも意識しなければなりません。スマホに最適化されているかどうかはSEOの検索順位にも大きく影響しているためです。この記事では、SEOに与える影響から重要性、モバイルフレンドリー化する方法や注意点においても詳しく解説します。
モバイルフレンドリーとは
モバイルフレンドリーとは、スマートフォンなどのモバイル端末でサイトを快適に閲覧しやすい状態のことです。
PCの大きい画面に合わせて作られたサイトをスマホで見ると、画像や文字がギュッと縮小されて見づらくなってしまっていたり、サイト上のリンクやボタンも押しにくくなってしまっていたりします。
せっかくECサイトの商品やサービスに興味を持ってアクセスしてくれたユーザーも、モバイルフレンドリー化されていないサイトでは見づらくすぐに離れてしまうでしょう。
モバイルフレンドリーがSEO与える影響
経済産業省が発表した電子商取引に関する市場調査によると、2022年の物販系分野におけるBtoC-EC市場規模は13兆9,997億円です。このうちスマホ経由が7兆8,375億円、スマホ比率は55.98%となっています。このことから、最近ではスマホでECサイトを利用する方が多いことがわかります。
また、SEOにおいてもモバイルフレンドリーであるかは大きく影響します。Googleの基本方針には「ユーザーにとって有益なサイトを高く評価する」ことが挙げられています。そのため、サイトがスマホ対応しているかどうかはSEOの検索順位にも大きく関係があります。
ECサイトをモバイルフレンドリーに対応させる重要性
上述のとおり、モバイルフレンドリーであるかはSEOの検索順位にも影響しており、対応しているサイトは順位が上がりやすく、対応していないサイトは順位が下がりやすいです。
SEOの判定はページ単位で行われるため、ページ1は対応していてページ2は対応していないという場合、ページ1の順位は上がりページ2の順位は下がるということが起こります。
そのため、SEOでサイト全体の順位を上げるには、全ページに対応が必要です。
また、ECサイトをモバイルフレンドリー化させることにより、ページの表示速度が改善されます。PC用に作られたサイトにスマホでアクセスすると、画像や文字が小さく見づらいだけでなく、コンテンツが表示されるまでに時間がかかります。
サイトが表示されるまでに時間がかかると、せっかく商品やサービスを購入するためにアクセスをしてくれたユーザーを逃すでしょう。このことからECサイトのモバイルフレンドリー化は重要であるといえます。
ECサイトをモバイルフレンドリー化させる方法
SEO対策としてECサイトをモバイルフレンドリー化させる方法は、主に3つです。以下では、それぞれについて詳しく解説します。
自動変換ツール
自動変換ツールは、その名のとおり既にあるPC用のサイトを自動でスマホ対応させるシステムのことです。導入するだけで、スマホやタブレットなどさまざまなデバイスに最適化されたサイトができます。
大きなリニューアルやスマホ用に構築する必要がないため導入しやすく、サイトを更新すれば自動でスマホ用サイトも更新されるため維持しやすいです。
しかし、既にあるシステムを導入するため初期費用や毎月の維持費などがかかります。また、システムに依存しているためデザインや機能が限られてしまうこともあります。そのため、自動変換ツールを利用するには、システムや業者選びも重要です。
レスポンシブデザイン
レスポンシブデザインは、PC用サイトとスマホ用サイトが同じソースとURLで、デバイスによって画像・文字表示やデザインが切り替わることです。PCでサイトを表示したときに、画面の幅を狭くしたり広くしたりしてみてください。このときに画像・文字表示やデザインが切り替わるのがレスポンシブデザインです。
サイトの一本化ができるため、更新や同期をする手間が少なくて済み、URLも統一できます。ただし、通常のPCサイトより設計が難しく制作に時間がかかってしまったり、業者に依頼すると製作費が高くついたりしてしまうこともあります。
スマートフォンサイト
モバイルフレンドリー化するにあたって、PC用のサイトとスマホ用のサイトを別々に作成するという方法もあります。別々にすることにより、PC用サイトとスマホサイトそれぞれに合ったデザインが可能で、方法の中では最もデザインの自由度が高いです。
ただし、2つのサイトを運営する必要があり、作業の手間が増えてしまったり、それぞれのサイト内容が同じであれば重複コンテンツと判定されたりしてしまう可能性もあります。
SEOの観点では、重複コンテンツを避けるためにもあまりおすすめではありません。
しかし、SEOでは点数などではなく、モバイルフレンドリーかそうでないかだけで判定されます。よって、スマホ用に独立したサイトを作ることは曖昧な判定を避けることができます。
モバイルフレンドリーサイトの確認方法
SEO対策のためにもモバイルフレンドリー化できているかどうかは、Googleのテストツールを利用すれば簡単に確認できます。対応できている場合には、「このページはモバイルフレンドリーです」と表示されます。サイト全体ではなく、ページごとの確認になるため、それぞれのページでチェックしておきましょう。
また、Google Search Consoleにアクセスできる場合には、モバイルユーザビリティの項目で確認できます。こちらではサイト全体が対応しているか確認可能です。
ECサイトをモバイルフレンドリー化させる注意
SEO対策でECサイトをモバイルフレンドリー化させる際にはいくつか注意すべき点があります。以下では、詳しく解説します。
適切なフォントサイズにする
スマホ用サイトはフォントサイズも重要で、フォントサイズの目安は14~16pxです。小さすぎるとモバイルフレンドリーサイトではないと判定されることがあります。
フォントサイズは部分的ではなく全体のサイズで判定されるため、注意書きなど一部分だけ小さいことでモバイルフレンドリーでないと判定されることはありません。
しかし、小さい文字は非常に見づらく、ユーザーが逃げてしまうこともあるため注意が必要です。
ブラウザ幅にコンテンツを収める
画像や文字などのコンテンツが横幅に収まっておらず、横スクロールが出てしまう場合にはモバイルフレンドリーではないと判定されることがあります。
画像のサイズを変更したり、改行したりするなどブラウザの幅に収まるデザインに変更しましょう。
リンクやボタンを近づけすぎない
リンクやボタンが重なっていたり、近すぎたりする場合にはモバイルフレンドリーではないと判定されることがあります。また、エラーが出なくてもあまりに近すぎると飛びたいページにいくことができず、逃げてしまうこともあるため注意しましょう。
モバイルファーストで進める
機種により表示の仕方も異なるため、スマホでも複数のメーカーのものでチェックしたり、タブレットでもチェックしたりしましょう。テストの際には、なるべく実機を使って行うことをおすすめします。
また、指でタッチする操作の多いモバイル端末では、誰か使用するのかによっても操作性が異なります。指の細い子供や女性ではタップできるリンクやボタンも、指の太い大人や男性ではタップできないこともあります。よって、テストの際には複数の人が複数の実機を使って行いましょう。
まとめ
EC市場の半数以上がスマホを利用している現在では、ECサイトのモバイルフレンドリー化は必須かつ迅速に行うべきものであるといえます。
モバイルフレンドリー化しているかどうかはSEOの順位にも大きく影響するため、集客や売上にも左右することでしょう。
また、ただモバイルフレンドリー化したサイトを作るだけでなく、集客や売上アップに繋げるには見やすく利用しやすいサイトであることも重要です。
ECサイトはどういった人たちが利用しているのか、スマホからのアクセスはどれくらいあるのか、また今後どうしていきたいのかによって適した方法も異なってきます。ECサイトにあった対応の方法を検討しましょう。